「開催レポート」ファインアートフェス(高品位印刷見学会)
富士フイルム「Jet Press」の最新機への入れ替えを機に、「博進堂ファインアートフェス」を11月10日に開催しました。イベント名にある「ファインアート」は、当社独自の概念である「印刷美術(The Fine Art of Printing)」※からネーミングしています。当社では創業以来、写真印刷を手掛け、印刷美術をコンセプトに印刷物を美術品レベルまで高めるという意気込みで仕事と向き合ってきました。色の管理がコンピュータ化されデジタル印刷機全盛の時代にあっても、突き詰めれば職人の知恵や色を見る目が品質を決定づけるものではないでしょうか。当日は各工程の職人たちが、当社でできることや担当業務で大切にしていることなどをお話ししました。
※「印刷美術」とは:美術作品を複製印刷する美術印刷に対して、「印刷美術」とは印刷物そのものを美術作品にするというものです。
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今回の一番の目的は、広色域印刷による成果物をご覧いただき、その品質をご体感いただくことでした。
広色域印刷とは、これまでCMYKカラーでは表現できなかった色域を、RGBデータが持つ色域で再現する印刷のことです。当日はCMYK印刷とRGB印刷の違いやRGBカラーの色域について解説したり、事前にご提供いただいた参加者の作品データをデジタル印刷機で出力し、その印刷物を題材に画像補正のデモンストレーションも行いました。
今回は県内のグラフィックデザイナーをはじめ、広告関連会社の方やファッションデザイナー、クリエイターを目指す専門学校生など、17名の方にご参加いただきました。これまで当社が手掛けてきた事例やデジタル印刷の基礎知識をお伝えする中で、日頃感じておられる疑問にも各工程のスタッフが適時、回答。終了時間が過ぎてもクリエイターの皆さんの興味関心は尽きず、創作意欲を掻き立てるイベントになったご様子でした。終了後のアンケートでは、7割以上の方が日頃の疑問や課題が解決したと答えてくださいました。
たとえ同じデータを使用しても、デザイナーとレタッチャーが使用するディスプレイや部屋の照明など作業環境が異なれば、同じ仕上がりは不可能です。今後もそこをクリアするための手立てを充実させ、お客様と共により高みを目指し、印刷美術を追求してまいります。
開催終了後は、スタッフで振り返り会を行い、2024年の開催も決定しました。さらにバージョンアップして、皆さまのお越しをお待ちしております。